富士山GXホールディングス 陸上部

FEATURE特集

2025.11.03

長距離陸上競技

東日本実業団対抗 駅伝競走大会

第1区の走者は栗原啓吾。先頭集団をキープし、幸先の良いスタートを切った。

ニューイヤー駅伝出場、惜しくも叶わず。
収穫は、富士山GXホールディングス陸上部が心をひとつに、走り抜いたこと。

フレシャスを運営する富士山GXホールディングス株式会社が「スポーツを通じて地元の山梨県に恩返しをしたい」という思いから発足した富士山GXホールディングス陸上部。初挑戦で2024年のニューイヤー駅伝出場の切符を手にした輝かしい成績を残している。2025年は3度目の挑戦。出場の切符獲得への壁は厚かった。それでも部員全員が力の限り走り抜いた姿には、ひたむきで、美しい瞬間が確かに存在していた。

※登場する選手名は敬称略しています。

良いスタートを切れた1区。その期待を胸に、タスキを繋いでいく。

 冬の訪れを感じさせる2025年、11月3日。ニューイヤー駅伝の予選会となる東日本実業団駅伝が行われた。澄み切った冷たく強い風が全身を覆う。正午前の気温は9℃。ランナーにとって、ベストな状況とは言い難い天候である。この日を迎えるまで、富士山の麓でチーム合宿を積み重ね、丹念に準備をしてきた富士山GXホールディングスの陸上競技部。レースに立てた目標は「予選突破」だ。昨年は、15位と唇を噛む結果だった。

今年こそ、元旦のニューイヤー駅伝の出場権を獲得できる12〜13位に「なんとしても食い込もう」という覚悟を胸に、選手と監督が気持ちをひとつに重ねてレースに臨んだ。本番直前まで補欠を含めて、誰がランナーに選ばれるのかわからないくらいに、選手層が厚くなった富士山GXホールディングスの陸上競技部。第1区の走者は、栗原啓吾である。彼が懸命な走りを見せ、先頭集団でレースを進めた。序盤からの競り合いは、チームを鼓舞する内容になり、本レースのハイライトのひとつと言えるものに。去年とはひと味違う、好調なすべり出しを見せた。応援団たちの期待を誘う走りが競技場2周目まで続き、区間11位(37分47秒)と好位置でタスキを繋いだ。そして、2区へ。上位層が厚い東日本地区の激戦の中で、インターナショナル区間でキサルサク・エドウィンは12位。最長区間の3区では、長距離に定評がある篠原楓が粘り、区間15位(48分06秒)の記録に。

第2区のインターナショナル区間を走った、キサルサク・エドウィン。
第2区のインターナショナル区間を走った、キサルサク・エドウィン。

「遅れ」を挽回しようと、我慢の走りを続けた。

その後も1秒、2秒でも詰めたタイムを切ろうと中盤以降、チームの精神的支柱である才記壮人が風の強さに立ち向かいながら、第4区を。意地と根性の血がたぎる走りを貫いた。第3区までの「遅れ」を挽回しようと耐え続けた戦いの時間を、才記はこう振り返る。「1区が先頭集団をキープできているので、先頭集団で勝って帰ってくるのが自分の役目だと思っていました。加えて、『プレス工業』が一歩上手だったため、抜け出したところで追いたかったのですが、あまりにも速くて。それでも前線のポジションになんとかくらいつき、ついていきました」

第4区の才記壮人が、第5区の湯本樹にタスキを繋ぐ。
第4区の才記壮人が、第5区の湯本樹にタスキを繋ぐ。

大会前に走りの調子を上げた湯本樹が第5区を任され、軽快な走りを見せる。うまくタスキを繋げるか。そのことをずっとイメージしながら選手たちは自身の走りを奮闘するも、惜しくも競り負ける瞬間があった。つまり、“走りの掛け算”が思うように叶わず、苦しい場面を挽回できなかったということ。自分を信じ続けながら走ることは、簡単なことではない。極限状態で、個としての精神力が試されることになる。

第7区を冷静沈着なプランで走り抜いたルーキーの柴田大輝。
第7区を冷静沈着なプランで走り抜いたルーキーの柴田大輝。

昨年よりもひとつ順位を上げて、14着でゴール。

選手たちが懸命にタスキを繋ぎ、最終ランナー、7区の柴田大輝が区間7位(35分50秒)と快走。結果は、目標にわずかに届かず14着でゴールした。2023年の初出場時のような大躍進とはならず、3度目の挑戦となる今年はニューイヤー駅伝への切符を惜しくも逃す形となった。「速さ」という点では、いまひとつ伸びが足りなかった部分があるのは、否めない。だが、我慢の時間を必死に耐え、選手ひとり一人がポジティブなエネルギーの交換をし、昨年よりもひとつ順位を上げられた結果に、温かな拍手を送りたい。

高嶋哲監督はレースを振り返る。「結果としては負けてしまいましたが、選手個人個人の成長した姿を見られたことに非常に満足しています。確実に選手層が厚くなった、という自負があります。欲を言えば、“ゲームチェンジャー”的なキーパーソンが存在していると、よりいいレースができると思っていて。来年に期待したいです。私は富士山GXホールディングス陸上部が、より地に足を着けた活動を続けて、社員の方々に感動を与えられる存在でありたいと常々思っています。そうすることができたら、長く愛されるチームになれると思うから」

4区を走った才記壮人は、今後の課題を見据える。「個人的には、まだまだ、ピークの掴み方がベストではなく、そこが自分の課題。チームとしては、今年は選手層が厚くなり、誰を選んでも走れるようになったのが、収穫です。それでも、このチームで通用しなかったということは、さらにチーム力を高めないといけない。他のチームに比べて劣っているポイントを見定め、成長速度を上げていく。1歩、2歩、勝ち越せることが大事だと思いますし、もっといい勝負ができるように前を向いて進んでいけたらいい。さらに高みを目指し、トレーニングしたい」。そう言って目を輝かせ、未来への希望を熱く語った。2026年は、本大会の悔しい結果を糧に、再起を図る一年となる。

東日本実業団対抗 駅伝競走大会 11月3日(日)埼玉県(7区間74.6㎞)

区間

距離

選手

総合順位

1区

13.1km

栗原 啓吾

11位

2区

8.2km

キサルサク エドウィン

12位

3区

16.4km

篠原 楓

15位

4区

8.2km

才記 壮人

13位

5区

8.2km

湯本 樹

13位

6区

8.2km

川上 勇士

14位

7区

12.3km

柴田 大輝

14位